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相続放棄ができなくなる行為について

1 相続放棄ができなくなる可能性がある行為の概要

相続財産の処分に該当する行為をしてしまうと、相続放棄ができなくなってしまう可能性があります。

相続財産の処分に該当する代表的な行為としては、被相続人の現金や預貯金を使うこと、被相続人の不動産の売却、建物の取り壊し、自動車などの動産の売却・廃棄などが挙げられます。

これらの行為は、相続財産を取得した方にしかできない行為であることから、相続財産の処分をすると相続をする意思があるとみなされ、相続放棄ができなくなります。

以下、実務上問題となりやすい相続財産の処分行為について、注意点等を説明します。

2 被相続人の自宅等の残置物処分について

被相続人の家財道具や衣類などは、実務上とても悩ましいもののひとつです。

原則としては被相続人の残置物は、処分してはいけません。

廃棄等をすると、相続放棄ができなくなってしまう可能性があります。

もっとも、現実には、被相続人が賃貸アパートなどにお住まいであった場合には、大家さんや管理会社から残置物の撤去を強く求められることもあり、無視し続けることが困難であることもあります。

この場合、財産的価値がなく、むしろ処分費がかかる残置物は相続財産を形成しないため、保存行為として処分することができると解釈する考え方もあります。

ただし、裁判所がこのような判断を明確に示しているわけではないので、リスクを負うという点には注意が必要です。

3 被相続人の葬儀費

被相続人の現金、預貯金は原則として使ってはいけませんが、一定の要件を満たす場合には、被相続人の葬儀費に使用しても相続放棄ができなくなるとは限りません

たとえば、大阪高裁平成14年7月3日決定においては、「被相続人に相続財産があると相続財産から葬儀費用を支出する行為は、法定単純承認たる「相続財産の処分」(民法921条1号)には当たらないというべきである。」と示されています。

被相続人の生前の社会的な地位や慣習等からみて、社会通念上相当といえる範囲の金額であれば、被相続人の現金・預貯金から葬儀費を支払っても、例外的に相続放棄が認められる可能性があります。

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