不動産評価に詳しい専門家に相談するとよい理由
- 最終更新日：2025年1月7日
１ 不動産の評価は相続に関する手続きに大きな影響を与える
不動産評価に詳しい専門家に相談するとよい理由は、結論から申し上げますと、不動産の評価の仕方が遺言作成・遺産分割の場面や、相続税の計算の際に大きな影響を及ぼすためです。
不動産の評価方法には様々なものがあり、評価の仕方によって評価額が大きく異なります。
不動産の評価を適切に行うことで、相続人が争うことを予防したり、相続税の節税ができることがあります。
以下、それぞれの場面について、具体的に説明します。
２ 遺言作成・遺産分割
遺言の作成や、遺産分割の際、遺産に含まれる不動産の評価が過大であったり、逆に過小であったりすると、相続人や受遺者の間に不公平が生じてしまいます。
その結果、不動産の評価を巡って争いに発展してしまうということがあります。
例えば、１０００万円の預貯金と、１０００万円とされている不動産をお持ちで、推定相続人が２人いる方が遺言を作成する場面を想定してみます。
遺言によって、ひとりの相続人には１０００万円の預貯金を相続させ、もうひとりの相続人には１０００万円とされている不動産を相続させるとします。
もっとも、不動産の評価額は、本当は１２００万円であったとすると、預貯金を取得した相続人は不公平であるという気持ちを抱いてしまいます。
その結果、預貯金を取得した相続人が何らかの主張を組み立てて、遺言無効確認訴訟を提起する可能性が生じてしまうということになります。
遺産分割の際も、客観的資料等をもとに、適切な不動産評価をすることができる専門家を介して代償金計算をした遺産分割案を作成することで、各相続人が納得できる遺産分割を実現することができます。
３ 相続税の節税
相続税の税額は、相続財産の評価額によって決まり、基本的には評価額が低いほど、税額も低額になります。
相続財産の評価の際には相続税特有の評価方法が用いられ、特に不動産の評価はとても複雑なものとなっています。
土地の評価は、路線価地域の場合には路線価図に記された評価額をもとに、土地の形状や接道条件などを考慮した複雑な補正を行います。
また、貸し付けている場合には、借地権割合を控除する必要があります。
さらに、被相続人のご自宅の敷地や事業用の敷地として利用されていた土地には、一定の要件を満たすことで大幅に評価額を下げられることがあります。
これらの評価手法を適切に用いることができるかどうかで相続税の税額が変わりますので、相続財産に不動産が含まれる場合には、不動産評価に詳しい専門家に相談することをお勧めします。
